恵比寿にあるプロラボ「ラボテイク」のモノクロプリントワークショップに行ってきた。担当はベテランプリンターの金子典子さん。数多くの写真家に信頼されるプリンターのひとりだ。写真作家としても活動されている。今回初めてお目にかかった。非常に物静かで穏やかな方だった。
金子さんは、ラボテイクに事務職として入社し、その後、自ら名乗り出てプリンターの道に進んだという異色の経歴を持つ。
そのワークショップ(WS)は、一般的なそれとは趣が異なる。いうなれば、貸し暗室とWSの中間のようだ。ある程度暗室作業に慣れている人なら、本人の裁量で進めさせてもらえる。定員3人の中に、初心者から上級者まで混ざっていても構わない。各々のペースでやれるのだ。
テストピースを見せに行く。どの濃度が好きかと訊かれる。それをベースにテストして、次にコントラストを決める。自分は2号付近が好きらしい、とわかる。覆い焼きや焼き込みで調整する。その繰り返しで、作業は進む。一枚仕上げるのに時間をかける。
一人でやっていると、元を取ろうとたくさん焼こうとして、結局たくさん焼けた以外に収穫がないことが良くある。次の課題を見つけてこそ、ステップアップになる。暗室は一つひとつの作業を意識して、問い続ける場所なのだ。それに改めて気づかされた。
ラボテイクで一番驚かされたのが、回転ドアだ。秘密基地よろしく、存在感ある回転ドアだ。機会があれば実際に見てもらいたい。一見の価値がある。