染谷學さんの写真展に行ってきた。
展示があるたびに観に行かせて頂きたいと思う写真家のひとりである。
まず感じたのが、実にニュートラルであること。
ちょっと他では観られないニュートラルさがこの展示には漂っている。
前回の展示でも少なからず感じた事だけれど、
さらに純度が増したような気がした。
でも、そこには灰汁が残っている。
変な言い方かもしれないが、料理で例えるなら、
出汁が効いていると言うより、灰汁が残っている。
この感じがとても心地よくて、
それが染谷さんらしさなのかとも思った。
プリントはすばらしい。
本人はごく普通に焼いているだけとおっしゃっていた。
その普通がなかなかできない。
だいたいにおいて、普通は目指すものでもないし、
そうしようとしてもあれこれ欲が出る。
だからこそ、観るも焼くもプリントは底が知れなくて、
興味が尽きる事がないのかもしれない。
いつかは普通を焼けるようになりたい。
できたてほやほやの写真集「道の記」を買わせて頂いた。
これもまた楽しみなのである。