写真に限らず魅力的な作品を作る人は、何かを表現したい、誰かに伝えたいという初期衝動に駆られている人なんだろうなと思う。もちろん評価を得たければリサーチやマーケティングの類も必要だろうし、その分野の系譜、歴史を学ぶことも外せない。技術的なこともクリアになっていた方が良いし。でもその前に衝き動かされる何か。
残念ながら、自分は何かを表現したいという衝動に駆られたことがなくて、作家活動をする動機が持てずにいる。今のところ、自分は見る側のほうが向いているのかもと思っている。かといって、友人とのグループ展や公募展、将来的に個展をしない理由にはならなくて、展示の過程が楽しくもあるし、展示する側の立場も理解できるので、機会があれば参加するようにしている。
表現者としての衝動はないけれど、見たい、知りたい衝動は日に日に増している。これはいささか病的。今はそれが写真中心にめぐっている。作家さんひとりひとりの初期衝動がどう表に現れるのか。それを楽しみに写真展や写真集を見続けたい思っている。
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