薄い立体物の存在感

写真を好きでいることで、版画やドローイングにも興味がわくようになった。基本的にペラものの存在感が好きなんだと思う。“薄い”立体物って自分の琴線に触れるようだ。

美術の専門的なことはわからないけど、三次元を二次元に落とし込む技法はどれも面白い。イメージに立体感を求めるのか、それとも二次元ならではの平面性を活かすのかでも表現は変わり、見え方も違ってくる。

ティルマンスの個展でもペーパードロップのシリーズはけっこう好みだった。印画紙をたわませて、その曲線やエッジを強調するように撮ったシンプルな作品だった。他の作品にもペラを使って、どう伝えるかを長年にわたり試しているようだし、予想以上にティルマンスの手法に共感できた理由の一つかもしれない。