その日の朝に思い立って湘南新宿ラインに飛び乗った。とにかく観に行けてよかったということ。今年の展覧会で三本の指に入る名展だった。この展覧会を雄弁に語る言葉は持ち合わせていないけれど、三者の苛烈な作品がおもむろに胸ぐらを掴んできた。作品の強度が高いのに、構成、配置、ボリュームのバランスが秀逸で、観ごたえがあるのに中弛みしない。一定の緊張を保ちながら鑑賞できた。香月泰男、丸木位里・俊、そして川田喜久治。継ぐべきものだ。観終わったら力が抜けてしばらく呆けてしまった。治に居て乱を忘れることなかれ。いや、今は「治」でもないのか。川田さんがよく口にするカタルシスとクライシスの言葉が頭をよぎる。とにかく観に行けて良かったということだ。
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