中野行きの東西線に乗っていて神楽坂にさしかかる。そういえば高田馬場にギャラリーがあったっけと思い出し、途中下車してみる。徒歩10分ほどで到着しなたのはAlt_Medium。喜多村みか「meta」が開催されていた。
喜多村みかという写真家はなんとなく名前だけ知ってたものの、写真は見た記憶がない。私が写真を始める3年前の2006年の写真新世紀で喜多村みか+渡邊有紀の二人組で優秀賞を受賞しているようだ。
さて、思いつきで訪れた写真展はというと、とてもよい展示だった。友人か知人か、人物がひとり写っている写真が並んでいる。屋外だったり室内だったり、場所もさまざま。これ以上寄ればポートレートになり、これ以上引けば風景になる。そのどちらとも言えない距離感。中途半端にならず、距離や構図が統一され、妙にしっくりくる。
つまりこれは、私やここに写っている人たちがこの世からいなくなったとき、誰かに見つめられ、そのとき何を感じさせることが出来るのかを問う、わたしの密かな実験でもある。確かめる術こそないけれど。
(引用:喜多村みか写真展「meta」ステートメントより)
写真の根源的なものを問い続け、同じ距離感、構図の集積によって立ち現れる何か。いい試みだと思う。額装も丁寧でウォルナット風の塗装フレームでフローティングも効果的だった。とても気に入り同タイトルの写真集も求めた。
書いていて思い出したが、渡邊有紀という名前もなんとなく覚えていて、調べてみると、2015年にノートンギャラリーで「内海」という個展で作品を見ていた。揺らいだイメージが印象的だった。こちらも近くにギャラリーあったよなと思って寄ったのだ。別々に興味を持って、似たような動機でふらりと足を運んだというのも面白い。
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