原芳市さんの写真は、裸体に限らず、写るものすべてに色と情が宿っているような気がしてしまう。どこまでも自分にも被写体にも誠実でありどこまでも真摯なエロティシズム。要するに原さんの写真は何が写ろうともエロい(笑)
今回のポジのカラープリントは妄想以上だった。ギャラリーに入るなり、眼前の写真に心を鷲掴みにされた。すうっと壁面に引き寄せられて、あっという間にイメージに没入していた。もうなんというか、一枚一枚にひと目惚れし、空間全体に酔いしれてしまう。
ポジフィルムは不幸にも損失してしまったが、印刷原稿を特殊な技術で複写することで「エロスの刻印」は蘇った。プリントを見るとポジからのダイレクトプリントと見まごうばかりの仕上がりで、複写という印象は全くない。やや低彩度ながらも、冴えのあるコントラストを感じる。あのバライタのマットとはまた違う味わいがある。
まだ原さんのことは、百分の一も知らないんだけど、だからこそ、もっと体験してみたいと思う一方だ。
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