平面の質感

改めて写真の何に魅力を感じているのかなって考えてみたら、わりと単純に物質としてのプリントそのものに惹かれているんじゃないかなって。

もちろん写っているものは大事だし、それを見て何を考えるかも大切。でも、まずはシンプルに平面の魅力を堪能したい。例えば、近美のプリントスタディで拝見した川田喜久治のゼラチン・シルバー・プリント25点の切れ味には心拍数が上がりっぱなしだった。石内都のフリーダ・カーロの遺品を写したCプリントは手に取れるようなリアルさがあった。伊丹豪の生み出す超高解像デジタルプリントは肉眼の知覚能力を超えて、ゲシュタルト崩壊していく体験がくせになる。コレクションしている森山大道のプリントは、フロントウインドウ越しの景色とバライタならではの滑りけのあるテクスチャとが相まって、見ても見ても見尽くし切ることがない。

紙と写真は相性がいい。その相性の良さを引き出せてる写真は、結果的に強度が高いものが多い。最近は紙に落とし込まない写真も増えたし、やたらドラスティックな表現も多くなったけど、それはそれだ。紙と写真の組み合わせには、野暮ったくて腐れ縁的な関係性がある。写真のそういうところが醍醐味の一つじゃないだろうか。

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