[記録集]はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす

今年のベストかもしれない。写真研究者の小林美香さんがおすすめしていた一冊だ。あれよあれよという間に完売しそうになっていたので、先日、閉館間際のミュージアムショップに駆け込んで購入してきた。

本書は武蔵野市吉祥寺美術館の企画展『コンサベーション_ピース:ここからむこうへ』に併せて発刊された記録集となる。あいにく展示は見ていないのだけれど、この記録集を手にしただけでも、企画展の力の入れようが窺える。

私は、はな子を直接見に行ったかとがない。テレビ越しにたまに見かけた程度だった。だからあまり大したことは言えないんだけども、はな子の存在した69年間といえば、ほぼ自分の親世代に等しい。旅行や行楽地へ行けば当たり前のようにフィルムカメラで記念写真を撮り、同時プリントに出しては、できあがった写真は次から次へとアルバムに貼り付けた。紙の写真を残す記念写真の全盛期を含む時代だ。

『[記録集]はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす』は、記録としての写真、記念としての写真、記憶としての写真、それぞれの意味を巧みに引き出しながら構成されている。言葉で説明するより実際に見てもらうのが一番なんだろうけど、おそらく完売間近でこれから購入するのは難しいかもしれない。それでも機会があればぜひ見てもらいたい一冊だ。