吉祥寺の井の頭恩賜公園にほど近い、オープンしたての古書・新刊書店「book obscura」に行ってきた。写真集を中心にリトルプレスなどを扱っている。吉祥寺からも歩いて行けて、井の頭公園を抜けるようにして散策しながらゆったりとした気分で立ち寄れる。店内も落ち着いた雰囲気で、居心地が良い。それほど広いスペースではないものの、ほとんどの本を腰から下のスペースに収めているので、目線がすっきりしていて抜けのいい空間になっている。
店主の主観を交えた本の紹介の仕方がうれしい。「1ページ、1ページ、ゆっくり見てください」とさりげなく促したり、ページを開いて平置きしたりとか、ちょっとしたことだけど、気が利いている。まずは開いて中を見てもらう。そこから写真集の魅力を伝えようとしている。ここの店主、写真集がほんと好きなんだろうなあってすぐわかる。
展示スペースもあり、竹之内祐幸「The Forth Wall」が開催されていた。フォトアクリル額装の瑞々しいイメージが、店内に差し込む自然光と相まって美しさが際立っていた。第四の壁というタイトルも写真の印象と合っている。同時開催のPGIも見てみたくなった。
私がお店に入って間もなく、通りかかった親子が入ってきた。お母さんと幼稚園の年長さんくらいの男の子。きっと井の頭公園の帰りだろう。タタッ、タタッと男の子が店内を二、三周する。きょろきょろ見わたすうち、竹之内さんの展示に興味を持ったようだ。お母さんも付いて行き、一緒にあれこれ見ている。やがてDMと写真集を見比べながら、男の子が「あっ、同じ!」と写真を交互に指差す。お母さんも「ほんと同じだね」と続けた。
実は自宅から自転車で行ける距離にある。写真を楽しめる新たな場所。ちょくちょくのぞきに行くことになりそうだ。
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