写真の居場所

二年ほど前に賃貸住まいでもちゃんと部屋に写真を飾ってみたいと思い、一箇所だけ腰から上およそ150cm四方の壁をすっぽり空けて、ささやかな写真の居場所を作った。普段はその壁に1~3枚の額装した写真を飾っている。その下はDIYでこしらえた合板製の書棚を据えて、写真集とかを収納している。

購入した写真を掛けるのはもちろんのこと、自分でプリントした写真を飾ることもある。手元にあるプリントは、ある意味分け隔てなく扱う。プリントした写真は大事にした方がいい。個人的に開催したグループ展や個展用でも、終わるとそのまま保存箱に入れっぱなしになってしまいがち。日常的に飾ることで日の目を見せてあげることも大切だと思う。

これまでは少ない枚数に抑えて一枚一枚じっくり見ることを考えていたけど、最近ふと思い立って、複数枚を組み合わせて群れで飾ってみることにした。欧州風のアンサンブルスタイルの真似事だ。手前みそながらなかなか見ごたえがあるレイアウトになった気がする。集合、俯瞰で見ると、自分の趣味趣向が露になって恥ずかしさもあるが、モノクロやカラー、フィルムやデジタル、いろいろ混ざりながらも、やはり共通点が多いコレクションなんだなと再確認できる。

1wall

腰の高さまでで収納を完結させると部屋が広く見えるというのは確かで、狭い賃貸住まいでも意外といけるもんだなと日々実感している。といっても、センスのいいインテリアコーディネートとか、おしゃれなライフスタイルとかを目指していないし、なまじっか目指してもうまくやれる自信がない。だから他の場所は思いっきり生活感丸出しのまま。これはこれでよいかなと思っている。なによりも自宅の中に写真の居場所があり、写真と向き合う場所がある。そこが大切なことなのだ。