クロヌマタカトシさんの木彫。拝見するたびに少しずつ変化している。ひとつの宗教観を宿していて、気品と美しさの中に畏怖の念を内包しているようでもあり、人間の性や業の深さ、狂気を暗示しているようでもある。
仏師の松本明慶さんがドキュメンタリー番組で「自ら仏を彫るのではなくて、すでに宿っている仏様を世に出す手伝いをするだけです」ということをおっしゃっていた。どうもその境地に近づいているような気がする。
写真家の田中大輔君がクロヌマさんのアトリエ写真を撮影していて、それも展示されていた。クロヌマさんが田中君の写真展にたまたま訪れて、感じるものがあったようで、アトリエ撮影を依頼したそうだ。どこまでも田中君の写真であったが、木彫と見事に呼応していた。
コメントを投稿するにはログインしてください。