版画作品の額装を依頼する

昨年購入した濱野絵美さんの版画作品を額装してもらった。依頼はいつものポエティック・スケープの柿島さん。額装コーディネーターとしても凄腕で、そのうえ版画も得意分野。版画の魅力を知り尽くしているので、安心しておまかせした。

まずは「耳付き」を活かすため、プリントにはオーバーマットを被せずにフローティング仕様に。版画の用紙は四辺を裁断していない耳付きの紙が好まれる。イメージサイズに合わせてカットする場合も、手でちぎるなどしてムラを作ることが多い。版画は紙の厚みや繊維質など、微細な物質感も作品の魅力の一部になっているので、耳を活かすのも大切なポイント。

そしてフレームは木製の白磨きにしてもらった。薄っすらと木目が浮き出て、アルシュ紙の紙肌や地色に馴染んでいる。白ラッカーだとフレームだけが主張してしまうし、無垢のままだと木目がうるさくなる。今回は白磨きが正解だった。

すべてのバランスのとれた清々しい額装で、期待以上の仕上がり。ほぼおまかせで預けっぱなしだったけど、大満足の額装になった。既成のインチフレームもいいけれど、一度はプロの仕事を体験するとその凄さがわかるはず。

ちなみに、もうひとつ銅版画の見所にプレートマークがある。銅版画を刷る際は高圧のプレス機にかける。ローラーを通る時に、版のエッジが当たり紙が破れたり、下敷きのフェルトを傷めたりしないように、予め版のエッジを削って傾斜をつけて慣らしておく。

傾斜がついた版をプレスすると、緩く角度が付いた四角い凹み跡がつく。写真でいうとマットの窓のような形になる。これをプレートマークと呼んでいる。刷り工程で必然的に凹むものだが、美しいプレートマークはイメージサイズの輪郭を際立たせ作品の完成度も高める効果がある。

だから、考え方の一つとして、できれば先ず版画はシートで観賞すると面白いと思う。インクが乗ったプリント面、耳、プレートマークなど、薄いけれど確かな物質感を手にとって楽しめる。それから額装しても遅くないというか。

この感覚はバライタのモノクロプリントに近いものがあるけど、さらにミクロな視点かもしれない。ついマニアックな見方になりがちだけど、写真に負けず劣らず版画も魅力的なメディアだと思っている。

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