ほぼ「鴉」でしか知り得なかった深瀬昌久の40年間の集大成。「深瀬昌久アーカイブス」の創設者兼ディレクターであるトモ・コスガ氏の人生をかけ心血を注いだ仕事だと拝察する。おそらく今後の写真史で最も重要な書物のひとつになるだろう。そんな大げさな、と思う勿れ。それほどの期待感はあるし、価値があると思う。
全く個人的な話なのだけど、私がとてもお世話になったというか、救ってくれたというか、拾ってもらったというか、つまり返しきれない恩を受けた方が、深瀬氏と面影が似ていて、初めてセルフポートレートを見た時にとても驚いたことを覚えている。しかも生き様もどこか重なるところがあり、勝手に妙な因縁を感じている。
深瀬昌久という写真家と向き合うことが、私の恩人と向き合うことになりそうで、そこはかとない畏れを感じつつも、楽しみにしている自分がいる。
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