ポラロイド熱は治ってきたと思いきや、いつのまにか増えてきて、収束どころかむしろ加速してしまっている。
来年、エグルストンのポラロイド写真集がシュタイデルから出るようなので、その辺を潮時にしたいんだけどね。
Manuel Alvarez Bravo: Polaroids
メキシコの巨匠マヌエル・アルバレス・ブラボのポラロイド写真集。世田谷美術館で見た回顧展も記憶に新しいが、カラーのポラとは驚いた。メキシコの出版社 EDITORIAL RM。
Misha Vallejo & Isadora Romero: Siete Punto Ocho
2016年4月16日にエクアドル沿岸を震源とする、マグニチュード7.8の地震が起きた。メキシコも大きな被害に見舞われた。作者のミーシャとイサドラは生存者をチェキやポラロイドで撮影して、それを写真集にまとめた。
この写真集を機に調べていたら、中米は海底に中央アメリカ海溝があり、複数のプレートの境界線が密集している地域で、日本とよく似ていて地震多発地域だとわかった。
こちらも EDITORIAL RM 。
Dennis Hopper: Colors, The Polaroids
俳優デニス・ホッパーが監督を務めた映画『Colors』の撮影の合間に撮っていたポラロイドの写真集。撮影現場のロサンゼルスでたまたま見つけたグラフィティに反応して、気が向くままに撮りためたもの。
Robby Muller: Polaroid
ヴィム・ヴェンダースの盟友である、撮影監督ロビー・ミューラーの写真集。今年の7月4日に78歳で亡くなられた。
「Interior」と「Exterior」の二冊組で、映像のキャプチャー画像をストーリー仕立てにまとめた小冊子も付属している。
Polaroids: Reihen, Serien, Sequenzen
ドイツの企画展の図録。それ以上全くなんだかわからないが、ボラの背面をグリットに並べた表紙がかっこよくてジャケ買いした。
森村泰昌 作品集「私」の年代記 1985〜2018 My Art, My Story, My Art History
六本木のシュウゴアーツで開催されている同タイトルの作品集。スタジオ撮影時のポラロイドを編集したもの。徹頭徹尾、どこまでも森村泰昌な一冊。
Andy Warhol Polaroid Prints Set 1, 2
アンディ・ウォーホルが「ビジュアルダイヤリー」としてポラロイドを撮り続けていたのは有名な話。
これは米国のKidrobotという雑貨メーカーが、アンディ・ウォーホル財団のライセンス許可を得て製作したもので、ポラロイドを再現した11枚セット。
Arno Fischer: Der Garten – The Garden
ドイツ人写真家のアルノ・フィッシャーによる写真集。妻であり、写真家のズィビレ・ベルゲマンと共に、古い農家に移り住み、住居兼アトリエとして生活する。その中でSX-70を手にとり撮影しているうちに、ポラロイドの偶発的な画に魅了され、撮りためたものを一冊の写真集にまとめた。メランコリックな色合いが美しい。
Sibylle Bergemann: The Polaroids
旧東ドイツ出身の写真家、ズィビレ・ベルゲマンの写真集。前述のアルノ・フィッシャーは、ご主人であり、彼女の写真の師匠でもある。公私にわたってのパートナーであった。
本書はズィビレがプライベートに撮影したとされるポラロイドをまとめたもの。一見、ポラロイドらしい耽美なイメージが並んでいるだけように感じるが、そうとも言い切れない。
風景や抽象的なイメージが多い中で、メイクを施した少女やサーカス団員(おそらくダウン症の人々)のポートレートも含まれており、何かしらの意図を感じる。
Philip-Lorca diCORCIA: THOUSAND
フィリップ=ロルカ・ディコルシアが1000枚ものポラロイドをまとめた写真集。薄いロール紙を用いてなお、ちょっとした辞書ほどの分厚さがある。一枚一枚じっくりというより、ペラペラとめくりながら流れで掴んでいく感覚が面白い。
Laura Letinsky: TIME’S ASSIGNATION, THE POLAROIDS
カナダ出身の写真家、ローラ・レティンスキーの写真集。今では生産中止になっている55タイプのフィルムを使い、1997年から2008年までにスタジオで撮られたものをまとめている。淡いセピア色のイメージがポラロイドの斜陽感を一層際立たせているように感じる。
Patti Smith: Land 250
2008年にカルティエ財団現代美術館で開催されたパティ・スミスの個展「Patti Smith, Land 250」の同タイトルの写真集。
題名は、夫と兄弟を亡くした1995年から使用しているポラロイド写真機に由来する。失意の中で表現をする意欲を失っていたパティが、アーティストとしての自信を取り戻すきっかけとなったのがポラロイドだった。
墓石や彫刻、曇り空などの風景の他に、ヴァージニア・ウルフのベッド、ヘルマン・ヘッセのタイプライター、ロバート・メイプルソープのスリッパなど、親交のあった人物の私物なども撮っている。
Paolo Gioli: Etruschi Polaroid 1984
映像作家で写真家でもあるパオロ・ジォーリの作品集。正直、名前もジョリなのか、ギオリなのかすらよくわからない。追い追い研究したいけど、手がかりが少ない。
本書は古代エトルリア美術の彫刻をモチーフにして、多重露光やコラージュ、エマルジョントランスファーなどを駆使した前衛的な作品になっている。ジョナス・メカスのような印象も受ける。
コメントを投稿するにはログインしてください。