ポラロイドの写真集〈その5〉

William Egglston『Polaroid SX-70』(Steidl)

Steidlからでたウィリアム・エグルストンの「Polaroid SX-70」。けっこう前から出るぞ出るぞとほのめかされながらも、Steidlのサイトでは、ずう~っと「Not yet published」が続いていて、なかなかでなかったんだけど、ようやっとリリースされた。かつてエグルストン自らポラロイドを貼り付けて作った手製のアルバムを再現したものらしい。

まずシボが入った黒革張り風のツヤのある表紙がかっこいい。それに黒い厚紙の台紙に1ページ1枚ずつポラロイドを貼り付けたようにしていて、写っているものも、エグルストンの素直な反応が見て取れ、まさにプライベートなアルバムといった感じ。

印刷も手が込んでいて、黒い用紙に、ポラロイドのベースとなる白ベタを刷ってから、イメージ部分を刷り重ね、さらにポラの部分だけニス引きしているみたい。まさに黒台紙にポラを貼り付けた感じが品よく再現されている。

さらに黒い用紙を使っているのに、あえて小口を黒く染めていて、開くときにバリバリと音がする感じがまた良い。銀箔押しのタイトルや、見返しの銀色の紙、SX-70のイラスト図版など、細部にも手抜かりなく、期待を裏切らない仕上がりで、ポラロイド写真集好きとしては大満足の一冊。待った甲斐があったというもの。


森山大道『bye bye polaroid』(タカイシイギャラリー)

ポラロイドの生産打ち切り発表を機に、2008年にタカイシイギャラリーが企画した「bye bye polaroid」展に際して500部限定で販売された写真集。

薄いグレーの布張りの表紙に「bye-bye polaroid DAIDO MORIYAMA」と空押しされている。エグルストンと同じく、1ページ1カットずつのシンプルな構成で、定番のスクエアではなくて、少し横長比率のスペクトラフィルムを使用している。

国内では古本市場にまったくと言っていいくらい出てこない希少本で、行き渡った後は手放さない人が多いのか、海外に流れてしまって散逸してしまったのか、どこぞの古書店で意図的に寝かせているのかわからないが、とにかく見かけない。昨年たまたまタイミングよく出物があり運よく入手できた。

先日NHKプレミアムカフェで再放送された「その路地を右へ~森山大道・東京を撮る~」に、この写真展(写真集)に向けた撮影やプリントの確認作業と思しきシーンが流れていた。