
写真集って普通の本に比べればかなり高価なものが多いから、他人に勧めるのが難しい。自分の中で、これ最高だな!って思っても、直接他人に勧めることはあまりしないし、する機会も少ない。
もちろん写真は、今まで巡り合ってきたものの中でも、ぶっちぎりで面白いものだから、写真集の面白さや、興味を持ちそうな時代やジャンルを勧めてみたり、この本屋に行けばいろいろ教えてくれるよって言える。東京なら、代々木八幡の「SO BOOKS」、代田橋の「flotsam books」、吉祥寺の「book obscura」とか、恵比寿の「POST」とか、もう間違いない感あるお店ね。
でも自分で「この写真集、めちゃいいから、ぜひ買ってみてよ!」っていうテンションで、特定のタイトルを勧めることはあまりないかも。好みってあるし、出せる金額も人それぞれだし。その辺は、自分が出会って、お財布と相談して、ある程度納得して買ってほしいから。
がしかし、山谷佑介さんの「Doors」。届きましたよ、クラウドファウンディングの限定版が。開封してめくったら、1ラウンド開始3秒でテンプルに一発いいのもらっちゃったの。井上尚弥的な衝撃。
これに関しては、他人に勧めたい衝動に駆られたんだよね、なぜだかわかんないけど。ねえねえ、これすごくいいから見てみてよ、で、よかったら買ってみてよ。で、しばらく手元に置いといてよ。で、たまに開いてみてよ。ま、だまされたと思ってさ、一万円出して買ってみてよ、って。胡散臭い儲け話みたいになっちゃうくらい手に取って見てほしい。
他にも新旧問わずたっくさん良い写真集あるし、もっと勧めやすいのだってあるし、むしろ「Doors」は万人に勧められる写真集ではないかもしれない。写真集好きですら好みがわかれそうな感じだし。
なんか、そういうの越えちゃってる気がするの、この「Doors」は。好みとかじゃなくてさ、これマストで見とけよって感じなわけ。だんだん、言葉使いが荒くなってきちゃってんだけど、勧めたい理由が理屈じゃないっていうか、これヤバいじゃん、最高じゃん、山谷さん知っている人も知らない人も、好きな人も嫌いな人も、もう黙ってこれ見てみなよって。
ちゃんと根拠を並べることはできるかもしれない。いろいろちゃんと話したくなることあるにはあるんだよ。一連のドラムパフォーマンスからの流れとか、装丁デザインとか印刷とか編集とか対談テキストとか。
何でこんなに言葉使いが荒いのは、「Doors」の凄まじさに興奮を隠せないからだけど、もう一つ理由があって、つまり悔しいんだよ。何が悔しいかってさ、クラウドファウンディングの限定版のエディションは181冊。そのうちの貴重な一冊を手することができて満足なんだけど、その後、通常版が発売されることになって、その通常版の表紙が異常にかっこいいのさ。やられた感がある。テンプルに一発もらって意識遠のいた後に、顎にきれいにアッパー入れられた感じ。後出しでこれかよ!って。ずるいじゃん、普通逆じゃん、めちゃくちゃ悩むじゃん。2冊買えっての?
あー、わかったよ、買わんでもないよ、でももう少し待ってね、お金貯めるからさ。
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