
山田悠「Nocturne」をポエティックスケープで観賞しました。初めて作品を拝見しましたが、いろいろ衝撃を受けました。作品の内容について具体的に感想を言う前に、少し考えをまとめたいというか、しばらく熟成させたい気分です。ひと言では言い表せないし、ひと言では言い表すのがもったいないくらいです。
過去作も魅力的で、今作を含め一つひとつ山田さんから話を聞くにつれ、ああこの方は、気になること、探求したいことに一貫性がある作家さんだと思いました。オーナーの柿島さん曰く、筋が通ってる人/作品で、まさにその通りだと。
筋が通った人の話や作品は、多層さと複雑味の中に潔さがあり、観ていて心地良くなります。かなり泥臭く根気の要る作品作りをしながらも、アウトプットする作品に品性や姿勢の良さが感じられます。
決して美しさを求めて美しく仕上げるのではなく、常日頃気になっていることを突き詰めるうちに、自ずと作品に相応しい美しさを獲得しているような気がします。
今作「Nocturne」は映像インスタレーションとコラージュの2部屋に分かれた構成になっています。壁面に投影されたインスタレーションも額装されたコラージュも、予備知識がなくても興味深く見られますが、山田さんと話しながら観ていくとさらに一歩ずつ奥へ入っていけます。作品も山田さんの言葉も、こじつけや屁理屈とは無縁で、作品を作る動機も過程も手法も説得力があります。
時間が経てば経つほどに、じわじわと作品が脳内に浸透していきます。難しく考える必要はないけれど、深く考えていきたくなります。初観賞を終えたばかりなので、まだまだ考え続けたいです。
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