紫外線露光機作り 配線編

サイアノタイプに必要なUV露光機づくりの「配線編」。主な材料と工具は次の通り。

  1. 直管蛍光灯器具・グロースターター形(端子台付を推奨)
  2. ケミカルランプもしくはブラックライト
  3. 平型ビニールコード(2芯のVFFの単線もしくはより線)
  4. 圧着端子(より線の場合に先端に圧着する)
  5. 電源用補助コード(棒端子付きや中間スイッチ付きなど)
  6. 電工ペンチ(あると便利)
  7. 接続コネクタ(器具に端子台がない場合やスイッチ分岐させる場合など用)

蛍光灯器具の並列接続は、思っているより簡単にできる。おすすめなのは20w以上の直管蛍光灯器具・トラフ(傘なし)を購入すると良いと思う。ほとんどの器具に「端子台」というコードを配線する器具が標準で付いている。

この端子台の「電源」と「送り」の穴に「単線」か圧縮端子を着けた「より線」で接続するだけで並列が完了する。端子台は、4つの差込口があって、電源側と送り線側が2つずつある。電源線⇒送り線⇒電源線と順繰りに繋げれば完了。

参考図:端子台

そんなことを言っておきながら、今回はあくまでコンパクトにしたかったので、15Wを4灯だけ並べることにした。光量不足の心配はあったけど、使わない時の収納も考えてのことだ。いろいろ探すうちに、幸い15Wの蛍光灯器具には珍しく端子台付きがみつかった。

早速注文したところ、残念なことに差込口が2箇所しかない簡易タイプだった。これは予想外。サイトに「端子台付き」とあったので高を括ってしまった。そこで急遽ホームセンターで、WAGO製「差込コネクタ・5本用」を買ってきて対応する。この差込コネクタは複数のコードを簡単に並列接続できる優れもの。

なんかすんなり並列にできたような言いぶりだけど、これにたどり着く前に紆余曲折。直列にしてしまい電圧が足りずに1灯しかつかなかったり、電源を入れたままコードを変なところに触れさせてショートしてブレーカーが落ちたりしたこともあった。何事も経験だ。

蛍光灯はノーマルにケミカルランプにした。仕様的にはブラックライトのほうがいいかなとも思ったけど、分光分布を比較しても価格に見合うほど違いがなさそうだったし。

器具の間隔を狭くして、できるだけ光源ムラを減らしたかったので、グローは外に出っぱらないように、内側にひねって本体内に収まるようにした。切れたらカバーを外して交換すればいい。

というわけで、配線完了。


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紫外線露光機づくり 箱組み編

紫外線露光機づくりは、1月に蛍光灯器具の配線が済んでからしばらくお休みしていた。「紫外線露光機づくり・配線編」での悪戦苦闘はすっかり投稿し忘れていたが、また今度覚書を残しておこうと思う。

そういうわけで、「配線編」をすっ飛ばして「箱組み編」となる。まあ、そろそろ暖かくなってきたし、箱でも作ろうかという感じで、春分の日をはさむ3連休を使って作業に取り掛かる。といっても、3日のうちの半日ほどで出来あがってしまったんだけど。

当初の計画では箱も木工の練習を兼ねて、焼き枠と同じハードメープル材を使ってしっかりしたものを作ろうかと思っていた。ただ、この計画が原因で諸準備に手間取ってしまい、予想より材料費もかさみそうなため、今回は安価なシナベニヤを使うことにした。シナなら無塗装でも見栄えが良いというメリットもある。

箱組みはいたってシンプルに。近所のホームセンターで板材をカットしてもらい、木ネジで留めただけ。9mm厚のシナベニヤに3.3mのスリムタイプの木ネジで留めた。木口の割れもなく大丈夫だった。

昨年暮れに、サイアノに詳しい方に露光機の実物を見せてもらい、いろいろと参考にさせてもらった。まず大切なのはできるだけ露光面と光源の距離を近くすること。それから内側は銀レフとしてアルミテープで覆った方が良いこと。紫外線は白レフではあまり反射効果が期待できないらしい。ゲレンデで雪焼けするのは、おそらく積もった雪は白レフじゃなくて銀レフに近い効果があるからかな、と今思った。白銀の世界って言うくらいだしね。どうなんだろう。

焼き枠のガラス面だけに紫外線が当たるようにしたくて、上蓋は家に余っていた無酸性紙のボードを二枚重ねにして、マットのようにくりぬいて作った。こちらの裏面にもアルミテープを貼る。これなら厚みも強度も充分だろう。もし早めにへたれてきたら木製も検討しようかな。

電源コード用の穴を空けたり、上蓋がズレないように桟を付けたりと、細かな仕上げをして完成。部屋にあるスチールラックにぴたりと収まるサイズにしたので、そのまま棚の中で露光もできるのでいい感じだ。

今回は焼き枠が上に乗るミニマムなサイズにしたかったので、15Wを4灯だけにしたが、これではどうも光量が足りないらしい。テスト次第では、もう1、2灯増設しても良いかもしれない。

サイアノタイプキット

移転後のPGIに初めて行ってきた。目的はふたつあって、ひとつは川田喜久治「Last Things」のトークショー。もうひとつはサイアノタイプキットの購入。濃厚トークショーの感想はまた別の投稿に譲るとして、やっとキットを入手した。通販でもよかったんだけど、移転したし、川田さんだし、直接行きたいなと。

このキットはBostick & Sullivan製。オルタナティブプロセスの定番メーカーで、PGIが代理店をつとめている。まずは手堅くという感じ。

はじめに焼き枠を買って、実はすでにUV露光機の配線は終えていて、そしてサイアノタイプキットが揃った。細かいこと言えば、オキシドールや精製水や薬瓶なんかも必要なんだけど、一番問題なのは、デジタルネガ製作の環境がないことかな。これは当分無理。かといって、大判はさらにハードル高いし。しばらくは中判ネガか、フォトグラムでいろいろやってみようかな。田村写真でネガプリントだけお願いしてもいいかも。

サイアノタイプ挑戦は緩やかに進行中。まだ先は長そうだ。

サイアノへ向けて焼き枠を注文する。

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ELM Industries – 11″ x 14″ Contact Print Frame
サイアノタイプとかのオルタナティブ系を始めるにあたって、密着焼き用の焼き枠(コンタクト・プリント・フレーム)がほしくなってきた。

少し前までは、ネットオークションで入手しやすかったようだが、ヤフオクでは全く見当たらなかった。お目当は11×14サイズだったけれど、eBayの出品は、ほとんどが4×5や5×7の小振りばかりだった。ひとつ新品ぽい出品があったが、押さえ板が蝶ボルト止めで凹凸が目立ち、こちらはスルーする。

というわけで、新品を探してみることにした。まずはなんといってもPGIだろう。オンラインストアで見てみたが、価格に少しひるんでしまった。他も比較検討してみるかと、海外サイトに目を向ける。すると「Bostick & Sullivan」をみつける。これはPGIが輸入代理しているオルタナティブに強い写真材料屋さんだ。だから扱っている焼き枠はもちろん同じ。同サイズなら送料込みでPGIよりややお得かなというくらいだ。両社で比べたらPGIに軍配か。もうひとつ見つけたのが、「ELM Industries」。イメージ画像が多めで、構造や仕上げの説明もしっかりしている。なかなな好感触。

Bostick & Sullivan」の画像資料が少ないので何とも言えないが、どっちかがOEMなのかと思うほど瓜二つ。どちらもハードメール材だし。実際はどうなんだろうか。まあ、どっちでもいいけどね。

価格的にはPGI > B&S > ELM。送料の兼ね合いを考慮しつつ、総合評価でELM製の11x14インチフレームにすることにした。製品のイメージ画像と説明文が詳しかったのも決め手になった。

さっそく思い切って、PayPalで支払ってみる。ところが、一週間音沙汰なし。海外直販は日常茶飯事だし、写真集とかならあまり心配しないんだけど、久しぶりの大物だったのでさすがにドキドキする。様子伺いのメール出してみたら、「ごめんね、ちょっと休暇中だったんだ」と返事がきて、ひとまずほっとする。

それからもう一週間して無事到着。梱包が丁寧で、角打ちもなく、心配していたガラス板も問題なしだった。しかも予想以上に製品が丁寧な作りで感動ものだった。オイルフィニッシュのハードメープル材が艶々で、コーナー継ぎは太いダボのような円筒型の千切りを使って愛嬌のある仕上げだ。押さえ板は合板で強度も充分。金具類は変哲もないステンレス製ながら、メープル材と相性は良い。

次はこれに合いそうな露光機を検討中。たまに押し寄せるDIYブームがまた始まりそうだ。

サイアノタイプWS

麻布十番の田村写真でサイアノタイプWSに参加してきた。いや、楽しかった!

先月参加したグループ展で友人が試しでやったプリントを見せてもらい、すっかり触発されてしまった。思い立ったが吉日とばかりに、その2週間後にWSを予約した。

サイアノタイプとは、青写真とか日光写真ともいわれ、特有の青い発色が魅力の古典印画技法だ。モノクロプリントが銀塩(塩化銀・ハロゲン化銀)を還元させて像を作るのに対し、サイアノタイプは鉄塩を反応させて青色いモノトーンの像を得ることができる。

自分は化学にまったく明るくないので、ひとまず工程はメモ程度で。さらに興味を持ったら、調べてみたいと思うけど、まずは初めの一歩ということで、WSで作った数枚のプリントで一満足。

大まかなプリント工程は以下の通り。

  1. データ作り(QuadTineRIP)
  2. デジタルネガの出力(EPSON PX-5V)
  3. 感光剤の調合(A液+B液)
  4. 水彩画用紙への感光剤の塗布
  5. 用紙の乾燥
  6. 焼き枠へネガと用紙をセット
  7. 紫外線露光機による密着焼き
  8. 現像(クエン酸水溶液・pH3.5-4.0)
  9. 過酸化水素水(オキシドール)による濃度とコントラスト調整
  10. 水洗
  11. 乾燥
  12. フラットニング
  • A液:クエン酸鉄アンモニウム(III)(緑色)
  • B液:フェリシアン化カリウム

薬品の配合はいろいろレシピがあるらしい。PGIにキットがあるので、今後はそれを使おうと思っているが、田村写真とは、多少の違う味付けをしているのだとか。

3)は基本の調合は1:1。田村写真はちょっと違っているみたい。比率の違いがどう影響するのかわからないが、自分で試してみるのも面白そうだ。

8)の現像では、蒸留水だけでも良いが、酸性の方が進みが早いのだとか。WSでは硝酸を使っていたが、これは劇薬なので、酢酸かクエン酸で代用。自宅ならクエン酸の方が安価で安全に使える。

9)は冴えた濃い青になるので感動的。溶液の濃度もやり方もいろいろあるそう。やらない人もいるそうだ。

何しろサイアノタイプの青が美しい。この青は一度体験すると病みつきになる。プラチナパラジウムプリントは、ネガ作りも難易度が高く、環境面もコスト面もハードルが高すぎるが、サイアノタイプは比較的簡単にできるのが魅力。

今のところ、デジタルネガを作る環境ではないので、取り急ぎ薬品や小道具類を揃えて、オーソドックスに葉っぱのフォトグラムあたりからやっていこうと考えている。露光機くらいは自作しようかな。

進展があればまた続きを。