バライタ。

ラボテイクのワークショップで、参加者のひとりからバライタを小分けして頂いた。期せずして初めてバライタを焼く機会に恵まれることとなった。確か「ADOX Premium MCC 110」だったと思う。

後でわかったことだが、なかなか高価なバライタだった。知る人ぞ知る「Agfa Classic 111」の復刻版的な印画紙らしい。フィルムをやり始めて数年の自分にとって、そんなこと知る由もなかった。

提供者から「遠慮無く使ってください」と言われるが、「じゃあ、遠慮無く」とはなかなか言えない。細かく千切っていただいた紙片で段階露光から始める。

RCと工程はほぼ一緒で、現像液に着ける時間が長いくらい。現像工程で徐々に水分を含み出し、心なしかしんなりと重くなってくる。ほほう、本当に紙ベースなんだな、と感心する。素人丸出し。

数回のテストピースを検証して、濃度とコントラストを決める。はたして本番の一枚を仕上げた。なかなかどうして感慨深いものだ。

乾燥とフラットニングに3,4日必要なので、その日は預けて後日受け取りとなった。職場が近いので平日に直接受け取りに行く。

しっかりと乾いたプリントはドライダウンでやや濃度が高くなっていた。まあこれもいい感じ。初バライタは自己満足ながら上々だった。

思いっきりバライタに興味を持ってしまったので、近々もっと焼きたくなってきた。まずはバライタを買おうと思う。さて何にしようかな。

ライボテイク。

恵比寿にあるプロラボ「ラボテイク」のモノクロプリントワークショップに行ってきた。担当はベテランプリンターの金子典子さん。数多くの写真家に信頼されるプリンターのひとりだ。写真作家としても活動されている。今回初めてお目にかかった。非常に物静かで穏やかな方だった。

金子さんは、ラボテイクに事務職として入社し、その後、自ら名乗り出てプリンターの道に進んだという異色の経歴を持つ。

そのワークショップ(WS)は、一般的なそれとは趣が異なる。いうなれば、貸し暗室とWSの中間のようだ。ある程度暗室作業に慣れている人なら、本人の裁量で進めさせてもらえる。定員3人の中に、初心者から上級者まで混ざっていても構わない。各々のペースでやれるのだ。

テストピースを見せに行く。どの濃度が好きかと訊かれる。それをベースにテストして、次にコントラストを決める。自分は2号付近が好きらしい、とわかる。覆い焼きや焼き込みで調整する。その繰り返しで、作業は進む。一枚仕上げるのに時間をかける。

一人でやっていると、元を取ろうとたくさん焼こうとして、結局たくさん焼けた以外に収穫がないことが良くある。次の課題を見つけてこそ、ステップアップになる。暗室は一つひとつの作業を意識して、問い続ける場所なのだ。それに改めて気づかされた。

ラボテイクで一番驚かされたのが、回転ドアだ。秘密基地よろしく、存在感ある回転ドアだ。機会があれば実際に見てもらいたい。一見の価値がある。