ポラロイドの写真集を集めだして2年くらい経ったのかな。不確かで耽美なポラロイドの世界が好きで、何かにつけて収集している。また少しずつ新作・古本が増えてきた。まだまだ続くよポラロイドの道ってね。

Andre Kertesz「The Polaroids」(W.W.Norton & Company/2007)
亡き妻を想いながら、28年住み続けたアパートで撮影されたといわれているポラロイドのシリーズ。ガラスのオブジェがメインながらも、ポートレートも数点入っている。「From My Window(New York Graphic Society Books/1981)」の再編ものかと思ったが、1981年度版と重複しているものはほとんどなく、未発表作品を含む80点が収録されている。当時は相当な枚数を撮っていたと思われるので、これからも折に触れて書籍化されるかもしれない。
Luigi Ghirri「Polaroid – L’opera completa 1979-1983」(Baldini Castoldi Dalai Editore/2003)
ルイジ・ギッリの写真集。5ヶ月ほど前にこれだけで投稿しているので詳しくはそちらを。とにかくお気に入り。反復と変奏がくせになる。

Tokyo Rumando「selfpolaroids」(禅フォト・ギャラリー/2017)
エロスとポラロイドは相性抜群。セルフポートレートをメインとしたRumando節全開だ。夫婦箱入りの装丁がよくできている。拡大複写したポラロイドの写真カードが32枚、中身はブックレット一冊、それに私物を真空パックしたユニークピースが付属している。21×21センチサイズの写真カードは額装して飾ることを想定しているようだ。

Bengt-arne Falk「POLAROID SX-70」(Art And Theory Publishing /2014)
スウェーデンの写真家。名前の読み方がよくわからない。1980年代初めに元祖ポラロイドで撮影されたもので、ポラロイドをスキャンして皺や陰も再現されている。ポラにはよくある質感再現系の写真集。表紙から背が浮いているコデックス装で、装丁も凝っている。

Wim Wenders「Instant Stories」(Thames & Hudson Ltd/2017)
ヴィム・ヴェンダースの写真をちゃんと見たことがなくて、写真家というより映画監督という認識しかなかった。勉強不足ですみません。これをきっかけにちゃんと写真も調べてみようかな。本作はロンドンのギャラリー「The Photographer’s Gallery」での同タイトルの個展に併せて刊行されたもの。70年代初めから80年代中頃までに撮影された403枚のインスタントフォトで、32編の物語を綴るという構成になっている。映画の撮影の合間やプライベートのカットもあるみたい。タイプライターフォントのテキストと相まって、心地の良いロードトリップを堪能できる一冊。

Rhiannon Adam「Polaroid: The Complete Guide to Experimental Instant Photography」(Thames & Hudson Ltd/2017)
平たく言えばポラロイドのハウツー本。ポラロイド写真家として活動しているアイルランド人のリアノン・アダムさんの著書。インスタントカメラを駆使していろいろなことをやっているようだ。大きく二つのパートに分かれていて、カメラやフィルムの解説とマニュアル、それと各種テクニック解説。テクニックのほうが、相当ディープ。すでに廃盤フィルムの加工も含まれているが、現在入手可能な「Impossible(Polaroid Originals)」や「New55 FILM」などを利用してエマルジョンを剥がして加工する方法やモザイク加工や二次利用などが公開されいる。結構具体的なメソッドが記載されているので、実験好きには楽しい一冊かもしれない。その代わり英語だけど。

Viviane Sassen「Skeches」(KOMINEK BOOKS/Second Edition/2015)
ピールアパートタイプのインスタントフォトを小冊子にまとめている。中綴じの小冊子ながらよくできている。サッセンと言えば自身のルーツを基盤にした眩しいほどのコントラストと鮮やかな色彩のポートレート。ポラロイドであってもその作風は中和されていない。「あ、ヴィヴィアン・サッセンだ」ってちゃんとわかっちゃう。と言いつつ、自分の中で好きなんだかどうなんだか結論が出ていない写真家の一人。
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