サイアノタイプWS

麻布十番の田村写真でサイアノタイプWSに参加してきた。いや、楽しかった!

先月参加したグループ展で友人が試しでやったプリントを見せてもらい、すっかり触発されてしまった。思い立ったが吉日とばかりに、その2週間後にWSを予約した。

サイアノタイプとは、青写真とか日光写真ともいわれ、特有の青い発色が魅力の古典印画技法だ。モノクロプリントが銀塩(塩化銀・ハロゲン化銀)を還元させて像を作るのに対し、サイアノタイプは鉄塩を反応させて青色いモノトーンの像を得ることができる。

自分は化学にまったく明るくないので、ひとまず工程はメモ程度で。さらに興味を持ったら、調べてみたいと思うけど、まずは初めの一歩ということで、WSで作った数枚のプリントで一満足。

大まかなプリント工程は以下の通り。

  1. データ作り(QuadTineRIP)
  2. デジタルネガの出力(EPSON PX-5V)
  3. 感光剤の調合(A液+B液)
  4. 水彩画用紙への感光剤の塗布
  5. 用紙の乾燥
  6. 焼き枠へネガと用紙をセット
  7. 紫外線露光機による密着焼き
  8. 現像(クエン酸水溶液・pH3.5-4.0)
  9. 過酸化水素水(オキシドール)による濃度とコントラスト調整
  10. 水洗
  11. 乾燥
  12. フラットニング
  • A液:クエン酸鉄アンモニウム(III)(緑色)
  • B液:フェリシアン化カリウム

薬品の配合はいろいろレシピがあるらしい。PGIにキットがあるので、今後はそれを使おうと思っているが、田村写真とは、多少の違う味付けをしているのだとか。

3)は基本の調合は1:1。田村写真はちょっと違っているみたい。比率の違いがどう影響するのかわからないが、自分で試してみるのも面白そうだ。

8)の現像では、蒸留水だけでも良いが、酸性の方が進みが早いのだとか。WSでは硝酸を使っていたが、これは劇薬なので、酢酸かクエン酸で代用。自宅ならクエン酸の方が安価で安全に使える。

9)は冴えた濃い青になるので感動的。溶液の濃度もやり方もいろいろあるそう。やらない人もいるそうだ。

何しろサイアノタイプの青が美しい。この青は一度体験すると病みつきになる。プラチナパラジウムプリントは、ネガ作りも難易度が高く、環境面もコスト面もハードルが高すぎるが、サイアノタイプは比較的簡単にできるのが魅力。

今のところ、デジタルネガを作る環境ではないので、取り急ぎ薬品や小道具類を揃えて、オーソドックスに葉っぱのフォトグラムあたりからやっていこうと考えている。露光機くらいは自作しようかな。

進展があればまた続きを。