サイアノタイプキット

移転後のPGIに初めて行ってきた。目的はふたつあって、ひとつは川田喜久治「Last Things」のトークショー。もうひとつはサイアノタイプキットの購入。濃厚トークショーの感想はまた別の投稿に譲るとして、やっとキットを入手した。通販でもよかったんだけど、移転したし、川田さんだし、直接行きたいなと。

このキットはBostick & Sullivan製。オルタナティブプロセスの定番メーカーで、PGIが代理店をつとめている。まずは手堅くという感じ。

はじめに焼き枠を買って、実はすでにUV露光機の配線は終えていて、そしてサイアノタイプキットが揃った。細かいこと言えば、オキシドールや精製水や薬瓶なんかも必要なんだけど、一番問題なのは、デジタルネガ製作の環境がないことかな。これは当分無理。かといって、大判はさらにハードル高いし。しばらくは中判ネガか、フォトグラムでいろいろやってみようかな。田村写真でネガプリントだけお願いしてもいいかも。

サイアノタイプ挑戦は緩やかに進行中。まだ先は長そうだ。

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サイアノへ向けて焼き枠を注文する。

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ELM Industries – 11″ x 14″ Contact Print Frame
サイアノタイプとかのオルタナティブ系を始めるにあたって、密着焼き用の焼き枠(コンタクト・プリント・フレーム)がほしくなってきた。

少し前までは、ネットオークションで入手しやすかったようだが、ヤフオクでは全く見当たらなかった。お目当は11×14サイズだったけれど、eBayの出品は、ほとんどが4×5や5×7の小振りばかりだった。ひとつ新品ぽい出品があったが、押さえ板が蝶ボルト止めで凹凸が目立ち、こちらはスルーする。

というわけで、新品を探してみることにした。まずはなんといってもPGIだろう。オンラインストアで見てみたが、価格に少しひるんでしまった。他も比較検討してみるかと、海外サイトに目を向ける。すると「Bostick & Sullivan」をみつける。これはPGIが輸入代理しているオルタナティブに強い写真材料屋さんだ。だから扱っている焼き枠はもちろん同じ。同サイズなら送料込みでPGIよりややお得かなというくらいだ。両社で比べたらPGIに軍配か。もうひとつ見つけたのが、「ELM Industries」。イメージ画像が多めで、構造や仕上げの説明もしっかりしている。なかなな好感触。

Bostick & Sullivan」の画像資料が少ないので何とも言えないが、どっちかがOEMなのかと思うほど瓜二つ。どちらもハードメール材だし。実際はどうなんだろうか。まあ、どっちでもいいけどね。

価格的にはPGI > B&S > ELM。送料の兼ね合いを考慮しつつ、総合評価でELM製の11x14インチフレームにすることにした。製品のイメージ画像と説明文が詳しかったのも決め手になった。

さっそく思い切って、PayPalで支払ってみる。ところが、一週間音沙汰なし。海外直販は日常茶飯事だし、写真集とかならあまり心配しないんだけど、久しぶりの大物だったのでさすがにドキドキする。様子伺いのメール出してみたら、「ごめんね、ちょっと休暇中だったんだ」と返事がきて、ひとまずほっとする。

それからもう一週間して無事到着。梱包が丁寧で、角打ちもなく、心配していたガラス板も問題なしだった。しかも予想以上に製品が丁寧な作りで感動ものだった。オイルフィニッシュのハードメープル材が艶々で、コーナー継ぎは太いダボのような円筒型の千切りを使って愛嬌のある仕上げだ。押さえ板は合板で強度も充分。金具類は変哲もないステンレス製ながら、メープル材と相性は良い。

次はこれに合いそうな露光機を検討中。たまに押し寄せるDIYブームがまた始まりそうだ。

サイアノタイプWS

麻布十番の田村写真でサイアノタイプWSに参加してきた。いや、楽しかった!

先月参加したグループ展で友人が試しでやったプリントを見せてもらい、すっかり触発されてしまった。思い立ったが吉日とばかりに、その2週間後にWSを予約した。

サイアノタイプとは、青写真とか日光写真ともいわれ、特有の青い発色が魅力の古典印画技法だ。モノクロプリントが銀塩(塩化銀・ハロゲン化銀)を還元させて像を作るのに対し、サイアノタイプは鉄塩を反応させて青色いモノトーンの像を得ることができる。

自分は化学にまったく明るくないので、ひとまず工程はメモ程度で。さらに興味を持ったら、調べてみたいと思うけど、まずは初めの一歩ということで、WSで作った数枚のプリントで一満足。

大まかなプリント工程は以下の通り。

  1. データ作り(QuadTineRIP)
  2. デジタルネガの出力(EPSON PX-5V)
  3. 感光剤の調合(A液+B液)
  4. 水彩画用紙への感光剤の塗布
  5. 用紙の乾燥
  6. 焼き枠へネガと用紙をセット
  7. 紫外線露光機による密着焼き
  8. 現像(クエン酸水溶液・pH3.5-4.0)
  9. 過酸化水素水(オキシドール)による濃度とコントラスト調整
  10. 水洗
  11. 乾燥
  12. フラットニング
  • A液:クエン酸鉄アンモニウム(III)(緑色)
  • B液:フェリシアン化カリウム

薬品の配合はいろいろレシピがあるらしい。PGIにキットがあるので、今後はそれを使おうと思っているが、田村写真とは、多少の違う味付けをしているのだとか。

3)は基本の調合は1:1。田村写真はちょっと違っているみたい。比率の違いがどう影響するのかわからないが、自分で試してみるのも面白そうだ。

8)の現像では、蒸留水だけでも良いが、酸性の方が進みが早いのだとか。WSでは硝酸を使っていたが、これは劇薬なので、酢酸かクエン酸で代用。自宅ならクエン酸の方が安価で安全に使える。

9)は冴えた濃い青になるので感動的。溶液の濃度もやり方もいろいろあるそう。やらない人もいるそうだ。

何しろサイアノタイプの青が美しい。この青は一度体験すると病みつきになる。プラチナパラジウムプリントは、ネガ作りも難易度が高く、環境面もコスト面もハードルが高すぎるが、サイアノタイプは比較的簡単にできるのが魅力。

今のところ、デジタルネガを作る環境ではないので、取り急ぎ薬品や小道具類を揃えて、オーソドックスに葉っぱのフォトグラムあたりからやっていこうと考えている。露光機くらいは自作しようかな。

進展があればまた続きを。