またいつの間にかまた増えてきてしまったポラ系写真集やアーティストブック。ひと区切りの〈その3〉。そろそろ収束の感があるとかないとか。
DAVID HOCKNEY:CAMERAWORKS
前から気になっていて、タイミングが合えば手に入れたいと思っていたデイヴィッド・ホックニーの写真集。アマゾンとかでもあるんだけど、じりじりと古本相場が高騰していて買いあぐねていた。先日、ようやく別口で程度の良い出物があったので、この機を逃すまいと購入した。
写真をつなぎ合わせるという意味で、ジョイナーフォトと呼ばれている。前半がポラロイドで、後半が35mmという構成。多視点とか立体的な配置とかを見ていると、割と緻密に組み合わせているみたい。初めはポラで撮っていて、途中からどうしても余白が気になって35mmフィルムに変えたらしい。
美術史や絵画技法の独自研究でも有名で「秘密の知識」はもう新刊は完売していて古本がレア価格になってる。これは買えそうもないので、続編的な「絵画の歴史洞窟壁画からiPadまで」は読んでみたい。ので、早速注文してみたら、予想以上に判型が大きかった。
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Edward Fella: Letters on America
米国デザイナーのエドワード・フェラの作品集。デザイン業界では有名な方らしい。内容は、ショーウィンドウ、看板、サインボード、道路、シャッターなどの文字デザインをポラロイドで収集したもの。合間合間にドローイングも入っていて、色彩やグラフィカルな文字がぎっしり詰まっていて、とても楽しい作品集だ。SNSで見かけてジャケ買いしただけなんだけど、かなり気に入ってます。
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PETER STREHLE : LOST STORIES
メディアアーティストのピーター・ストレーレによるファウンドフォト作品。古いポラロイドを一般家庭、蚤の市、ebayなどを利用し全米中から買い集めて架空の物語をオムニバス形式で紡いでいる。かぶせ箱入りで、蛇腹折り製本の10冊セット。Steidlから出ているダヤニータ・シンの写真集「Museum Bhavan」を思い出した。
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ILVA SUNDGREN : NO ONE CAN LOVE LIKE WE DO
スウェーデンのフォトグラファー、イルヴァ・サンドグレンの写真集。どことなく寂しげで孤独感をまとうイメージが並ぶ。ポラロイドの原寸大で、イメージ部分にニス加工が施されリアルな質感になっている。手のひらに隠れんばかりのコンパクトでかわいらしい一冊。
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MARKUS RAETZ POLAROIDS 1978-1993
スイスの現代美術家のマーカス・レェツの作品集。完成作品や製作工程をポラロイドで記録したもの。視差や錯覚を使った作品が多いようだ。一枚、特に気になったのがある、いろんな意味で。
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「植田正治写真展―光と陰の世界―Part II」図録
ときの忘れもので開催されていた展覧会の図録。蔵出しのポラロイドを展示するとあって、ぜひ拝見したいと思っていたんだけど、予定が合わず会期を逃した。せめて図録だけでもと取り寄せる。これが良い。簡易な小冊子ながら、植田正治の世界観をポラロイドで楽しめる。
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RHIANNON ADAM : DREAMLANDS/WASTELANDS
〈その2〉で紹介した「Polaroid: The Complete Guide to Experimental Instant Photography (Missing Manual)」というポラ系のハウツー本と同じ写真家。一冊で両A面のような作りになっている。紙質はそこそこだけど、面白い造本。英国の2つのリゾート地を期限切れのポラロイドで撮影したもの。子供の頃の憧憬を交えるように、とろみのある夢物語のようなイメージが展開する。
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