【1/4】オリジナルプリントを買うなんて誰にも勧められない。

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最初に買ったオリジナルプリントは、ある若手写真家のCタイプのカラープリントだった。それまで実用品(カメラ機材も含む)以外で何万円もの買い物をするのは初めてで、自分のお金の使い道としては異例中の異例だった。

写真のワークショップに半年通って、写真を販売するギャラリーがあることを知り、写真を買おうと思えば買える世界があることを知った。その時はまさかそこまでは無いなと思っていたが、講師のある言葉だけが耳に残った。

「ノリで買うと後悔するよ」

WSが終わり、興味の向くまま写真展を見るようになる。少なくともギャラリーに入って、写真を見て、どうもありがとうございましたと出て行くことには慣れた頃だった。例の写真家の作品を気に入って、初見で買ってもいいかなと思ってしまった。それまで絵とか版画とかイラストとかポスターですら飾ったこともないのに、ついその気になってしまったのだ。自分でも驚いた。正直、WSで感化されちゃったかもなと思った。で、あの「ノリで…」という言葉が脳裏をよぎり、その日は即決せずにギャラリーを後にした。

2、3日ほど自問自答して、落ち着いてきた頃に結論を出した。ギャラリーを再訪し、ギャラリストさんや作家さんと二言三言交わしてから、「あの、これ買います」と目当てのプリントを指差した。

その時、自分が冷静だったのか、ドキドキしていたのか、戸惑っていたか、うれしさに溢れていたのか、どうだったかよく覚えていない。平静は装ってはいたけど、内心はいろんな感情がないまぜになって整理がつかない状態だったと思う。はたしてこれがノリで買わなかったことになっていたのかも定かではない。

とにもかくにも、これが最初の一枚だった。

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