
ひっそりとした木陰。

ひっそりとした木陰。

渋谷川。

さびさび。

初夏の木立。
少し昔話。Leica M4 を使い始める。Black Chrome というモデルだ。
写真歴が浅い自分でも、作りのよさは感じる。
それにレンジファインダーの二重像は面白い。すうっと合致させたときの感覚は癖になる。
M5を挟んで、再生産されたこの頃のM4は「ロスジェネ」と言われているらしいが、まあ自分にとってはあまり関係が無い。
言わずもがなM4には露出計がついていないので、ゴッセンの単体露出計を片手に、チマチマと計測しながら、絞りとシャッタースピードを決める。
操作一つ一つが手探りで、ぎこちない。でも一つ一つが楽しかった。
しばらく近所のプリントショップ55で同時プリントを繰り返していた。撮る行為そのものに満足していて、その先は深く考えていなかった。
上がった写真は、「?」というのが多かったが、まあこんなもんかとも思った。
3年くらい前の話。
Leica M4と出会う前、「GR Digital 2」に一目惚れをする。単なるぱっと見、外観が物欲をくすぐった。どうやら性能もいいらしい。その程度の知識だ。それでもカメラに一目惚れをするなんて経験は初めてだったし、自分の中でやたら盛り上がってしまって、通販で買った。
仕事でたまたまリコーのコンデジを使っていたが、ただ使っていたというレベル。写真のキホンなど知らないし、知ろうとも思っていない頃だ。ましてや、GRが高級コンパクトで名を馳せたことなど微塵も知らなかった。
とにかく撮った。パシャパシャ気楽にシャッターを切ってもそれなりに写るので、それだけで楽しかった。
単焦点レンズのことも、絞りやシャッタースピードも、ホワイトバランスもよーわからんままだった。でも何か撮れてしまうので、自分で写真がうまくなっていると明らかに勘違いをしていた。
その次に、手に入れたのが富士フイルムの「Natura Classica」だった。これがフィルムカメラのスタートと言える。
ISO1600はおろか、感度の意味すら知らない。あの独特の写りにおもしろみを感じただけだ。
今になってこの流れを見ると、「GR」や「ナチュラ」なんてずいぶんミーハーな手の出し方をしているな、と我ながら思う。
けっしてキヤノンやニコンではないのだ。その辺は写真部だったり、写真科出身とは訳が違う。素人の発想だった。
ナチュラで撮ったら、同時プリント。「あっ、自動補正無しでお願いします」なんて訳知り顔で注文した。
おもしろいんだけれど、よくわからないな、という想いがしばらく続く。
ライカと出会ってもそれは基本的に変わらなかった。
写真を撮る。写真を見る。写真を買う。
ここ2年くらいで、それらに深く関わり始めている。
子供の頃も、二十代も、三十代前半も、写真への興味は希薄だった。周りにカメラ小僧もいなかったし、鉄タクもいなかった。
写真の現像所でバイトをしていたことはあった。でも、断片的に興味は持っても、カメラや写真が好きになることはなかった。
父親は高校の頃に写真部だったらしい。「念写ばかりしてた。何かね、写ってるんだよ」とよくわからないことを言っていた。それも最近知った話しだ。
今思うと、きっかけになりそうなことはいくらでもあったかもしれない。今まで素通りしていただけだろう。
始まりはずっと後になってからだった…。

静かな木陰。

木陰で一休み。

透かして。

たくましきシダ植物。

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